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[一般的な書道用語の解説] [は行]
このページでは、一般的な書道用語について解説いたします。
は行  

背勢 はいせい 向勢に対する語。楷書を書いたとき、二本の縦画が背き合う(中央部を引きしめて上下に開いた形)ように書く造型法。理知的で引きしまった、厳しい感じが出る。欧陽詢の楷書が代表的な作品である。
 
  背臨 はいりん 習字練習法の一法。手本を見ながら書く臨書に対して、習っていた手本を伏せて書くのをいう。
 
  はく 金・銀・銅・錫・真鍮などをたたいて、紙のように薄く平らに延ばしたもの。一枚10p内外の正方形。一辺の長さを箔足いう。これを縦横に細かく切り刻み、あるいは揉み砕いたものが、截金(きりかね)、切箔(きりはく)、揉箔(もみはく)、砂子(すなご)、野毛(のげ)・芒(のぎ)・禾(のぎ)などとなる。
 
  白文 【はくぶん】 木や石、金属、落款(らっかん)または印文字を刻するとき、文字以外の部分を残す刻り方。陰刻ともいう。 ⇔ 朱文  参照図
  白麻紙 はくまし 麻紙の一種。正倉院その他に残る。隋、唐のころのものと推定される紙の一つで、正倉院の聖武天皇の震翰「雑集」は、「東大寺献物帳」には白麻紙と記してある。上質の白色の料紙で、表面は平滑で光沢があり、象牙か玉のような堅い物で磨かれたらしい形跡がある。
 
  幕末三筆 ばくまつのさんぴつ 江戸時代末期に活躍した唐様(からよう)の能書のうち、特に優れた、巻菱湖(まきりょうこ)・貫名菘翁(ぬきなすうおう)・市河米庵(いちかわべいあん)の三人を指す。平安時代の三筆に倣って称されたもの。
  箱書 はこがき 書画・器物などを収める箱の蓋(ふた)などにその名称や極書(きわめがき)を書き、署名・押印などしたもの。作者自身、またはその弟子・私淑者などが記すことが多い。箱書付。 
  破体 はたい 正しくない字体。破体字(略字・俗書)破体書(楷法に合わない俗書)、行・草の中間の書体等の意をもつが、一つの作品を楷・行・草の各体で書くことをいう。
 
  波磔 はたく 波勢とも言い、波は波法の右払いをいう。なお 森・食などの右払いが二画以上ある字は、一字一波あるいは減捺(げんなつ)といって、最も重要な一画のみを右払いに作るのが原則である。
 
  ばつ 著書や書画の巻・冊の末尾にしるす文。あとがき。跋文(ばつぶん)とも書く。本文の終わりに、著述のいきさつや感想などを記した部分。内容的には序文と変わりなく、そのどちらを選ぶかは著者次第であって特に意味はない。
 
  放書 はなちがき 
・文字を続けて書かないで、一字ずつ切り放して書くこと。
・手本を離れて思いのままに書くこと。 
・言葉と言葉との間をあけて書く書き方。わかちがき。 
  馬毛筆 ばもうひつ 体全体の毛を使用するが、特に毛先が柔らかくしなやかな腹毛と尻尾の毛が重宝される。剛毛
産地は、中国産、日本産、アメリカ産があるが主にアメリカ産が多い。
 
参照
  版木・板木
はんぎ 印刷するために文字・図画などを彫刻した木版。主に桜・黄楊(つげ)、朴(ほお)を使用。中国では古く梓(あずさ)を用いた。えりいた。かたぎ。摺形木。梓。 
  半紙 はんし 今日最も多く作られ使われている、代表的な書道の練習用の和紙の一種。もと横幅1尺6寸(約48センチメートル)以上の大判の杉原紙を縦半分に切って用いたから称したが、のち、別に縦24〜26センチメートル、横32.5〜35センチメートルの大きさに製した紙の汎称。近世に最も多く流通した。
近頃は三椏を純粋に使用した紙は少なく、パルプ等の混入物の多い機械漉の半紙が主流である。
 
  半切・半折 【はんせつ】 全紙の横幅半分を縦に切ったものを「半切」(はんせつ)、または「半折」(はんせつ)という。 参照図
 
  版本 はんぽん 版木に彫って印刷した書物。刊本と同義に使うこともある。木版本のこと。摺本(すりほん)とも呼ばれる。版をおこした場所や時代から、春日版・五山版・宋版などの名称がある。
  判物 はんもつ (ハンモノとも。書判(かきはん)のある物の意) 室町時代以降、将軍・大名などが下の者に宛てた文書で、花押(かおう)のあるものの総称。土地の給付、特権の付与などに用い、印章を押した文書よりも丁重とされた。御判。御判物。 
     
 後世に伝えるため、石に文をきざんで建てたもの。石碑としては、中国後漢時代に生まれ流行した。碑は、碑身と跌石(ふせき=台になる部分)から成り碑身の上部(碑首)に題字を刻む。この形式を整えたものは、中国の碑に多く、我が国の石碑は、単なる方形の立石が主となっている。 円形のものは、碑碣(ひけつ)という。
  引染 ひきぞめ 染め紙を作るための技法。まず、礬水(どうさ)を引き、乾燥させてから染液を刷毛につけて紙の表面に引く。薄い色を何度も重ねると美しいものができる。厚手の紙に染料を引く場合は胡粉(ごふん)に顔料を混ぜる。唐紙(唐紙)、蝋箋(ろうせん)はこの引染の方法による。
  斐紙 ひし 雁皮(がんぴ)の樹皮繊維を原料としノリウツギの内皮の液、またはトロロアオイの粘液を用いて漉いた、緻密で光沢があり強靱で虫害にも強く防湿性にもすぐれ変質しない上品で美しい高級和紙である。薄手のものは半透明で絹のように優美。以前は、雁皮の厚いものを鳥の子紙、薄いものを雁皮紙(がんぴし)と呼んでいた。
 
  筆意 ひつい 書は筆意の芸術である。運筆の趣が、筆を通して自然に表れるものである。単なる模倣の書には筆意のない書が多く、美的価値は乏しい。レタリングと書・はんこと篆刻の違いが筆意である。
  筆圧 ひつあつ 筆の穂先にかかる圧力。筆者の呼吸が筆を通して線として表れる。筆管の握りを強弱変化させて、微妙に圧力を加えると書の線は生気を帯び、余白を輝かす。間違えた筆圧は側筆を生み、書は低俗になる。
  筆架 ひっか 筆を吊り下げておくものを筆架といい筆の保存に利用する。
筆を使用し、水洗い後水をよく切らずに、筆筒に立てておくと穂の水分が穂元にたまり接着部分や軸の先端を損傷させたりする。
それらを防ぐのに、水洗い後水をよく切り、筆架に吊るしておくとよい。  
参照図
  筆跡 ひっせき 筆の跡。すなわち筆で書かれた文字。書そのもののこと。文字が意志の伝達、事柄の記録しいう実用を満たした上、造形芸術の一分野として鑑賞の対象にまで高められたのは、中国と我が国のみである。筆者と時代によって際だった筆跡の個性が映し出される。
  筆洗 ひっせん 書画の筆を洗うのに用いる小さな鉢。筆池とも言う。
  筆筒 ひっとう 筆の穂先を上にして立てておく入れ物。特に竹や陶器でできたものが多い。
筆を使用し、水洗い後水をよく切らずに、「筆筒」に立てておくと穂の水分が穂元にたまり接着部分や軸の先端を損傷させたりする。
筆を「筆筒」に立てる場合は、筆の水分を充分乾燥させてからの方がと良い。
 参照図
  筆鋒 ひっぽう  筆の穂先。筆端。筆の勢い。文章または書画の勢い。筆勢。  参照図
  筆法 ひっぽう 文字を書くための筆のつかい方。運筆。書法。そのなかで用筆法は運筆(筆の運び方)・用鋒(穂の使い方)・墨(濃淡など用い方)から成り、執筆法は手(指、腕、掌の使い方)・肘(ひじの使い方)・身(姿勢のとり方)より成る。
文章の作り方。また、言いまわし。

 
  筆脈 ひっみやく 筆意のつながり、脈絡を言う。文字は筆順という約束事で成立している。形連(点画の形がつながる)と意連(意、こころのつながり)を言い、各自それぞれのリズムがあり、個性ある造形を生んでいる。
 
  飛白 ひはく 漢字の書体の一種。刷毛(ハケ)でかすれ書きにしたもの。後漢の蔡ようの作という。雑体書(篆、隷、楷、行、草の各書体を混合させたょうな筆法で珍奇な字形を示す)の中でも刷毛書華やかな表現性において随一のものである。宮殿・神社などの  扁額に用いられた。 
日本で飛白を最も活用したのは空海で「真言七祖像賛並行状文」「二荒山碑銘」があり、中国では唐太宗の「晋祠銘」などがある。

 
  表具 ひょうぐ 紙または布を張って、軸物、襖などを仕立てることを表装または表具という。 参照
 
  表装 ひょうそう 紙または布を張って、軸物、襖などを仕立てることを表装または表具という。 参照
 
  平仮名 ひらがな 漢字を一字一音にあてた万葉仮名(まんようがな 真仮名まがな)を字母(字源)とし、その草書体を更にくずして作った音節文字。主に女性が用いたので女手(おんなで)と呼ばれ、中世末ころから、平仮名の名前が用いられるようになった。同音の仮名は、字母の相異や、くずし方の度合いにより、種々の異体があったが、明治33年(1900年)の「小学校令施行規則」(第16条)により一音一字と定められ、平仮名は48文字と確定した。これ以外の文字は「草がな」と呼ばれ日常ではほとんど使用しない。しかし、書道の作品においては、現在も使用されている。
     
風帯 【ふうたい】 軸の上から垂れる二条の細い布帛(ふはく)または紙のことで装飾的なもの。中国では、驚燕、払燕とも呼ぶ。もともと、燕に汚されるのを防ぐために考案したもの。 参照図
  俯仰法 ふぎょうほう】 筆を運ぶ方に筆管を倒して書く用筆法で、右に進むとき掌は仰ぎ、左に戻るとき掌が俯すのでこう言う。手首を使う技巧になり、用筆も不自然なため、初心者にはすすめられない。
  布字 【ふじ】 印面に筆で文字を書き込むこと。
  【ふち】 硯の周辺の囲い部分 参照図
  筆塚 ふでづか】 使い古した筆の供養のために筆を地に埋めて築いた塚。昨今では焼却する方が多い。祝詞、経などをあげて筆供養をする。退筆塚。
 
  筆巻き ふでまき】 筆を持ち運びする時や筆の保存に、筆を傷めないように保護をするもので、筆を筆巻きで巻いて使用する。
材質は、竹で作られているものが一般的だが、プラスチック製のものもある。
 参照図
  文鎮 ぶんちん】 用紙を固定するための文房具。主に鉄で作られているが、陶器、玉石、木製のものもある。用途によって形、大きさもさまざまである。 参照図
  文房四宝 【ぶんぽうしほう】 筆、墨、硯、紙のことを示す。文房とは書斎のこと。四宝とは筆、墨、硯、紙を示し書斎で最も重要な用具のことをいう
壁紙 へきし】 厚い宣紙で壁面に書く時に使用する大きな宣紙 参照図
  扁額 へんがく】 社寺の堂舎や門・室内などにかける細長い額。家号、屋号を表す語を書いた。室内では、横長の紙本、絹本を横額に仕立てたものを言う。
  変体仮名 へんたいがな 現在使われている「平がな」47文字(1900年小学校令施行規則で採用)とは違う字源またはくずし方の仮名のこと。現在では、かな書道において、変化に富んだ表現効果を意図して、作品の素材として用いられてる。
     
仿古箋 ほうこせん】 薄こげ茶に染めた宣紙。染ムラがある。滲みはよく出る。  参照図
  倣書 ほうしょ 古法帖の筆意を生かし、古人の用筆法で、別の素材を書くことで、創作への導入とする。臨書、背臨、倣書、創作という学習が大切である。
  法帖 ほうじょう 古人の優れた筆跡を鑑賞や学習のために、石や木に刻って拓本をとり、折本や帖に仕立てたもの。
  法書四法 ほうしよしほう 法書は手本とすべき古名跡をいい、その別本を作る四つの方法、臨(りん)・模(も)・響搨(きょうとう)・硬黄(こうこう)をさす。「臨」は見写し、「模」は敷き写し、または透き写し、「響搨」は明かり写し、「硬黄」は油紙を用いた写しで、中国では古くから行われていた。
  奉書 ほうしょ 上のおおせを奉じて下知する書状のこと。やがて奉書を書く紙そのものも奉書(奉書紙)と呼ぶようになった。楮(こうぞ)を漉いた楮紙(ちょし)で、丈夫で厚く肌ざわりが細やかで書きよく、墨色が美しい。越前奉書がよく知られ、祝儀用目録や版画用にも使われている。
  方筆 ほうひつ 円筆に対する語。方は角ばったという意味があり、力強さをむき出しにした書といえる。六朝時代の北魏の書法がその代表作であるが、かなり刀意があらわれて、毛筆でそのまま真似るのは難しい。
  墨跡・墨蹟 ぼくせき 紙や布に墨で書いた肉筆の筆跡。中国では肉筆一般の意味であるが、日本では特に、鎌倉、室町時代の禅僧の筆跡や、この頃伝えられた宋、元の高僧の書を言う。近年は江戸時代の禅僧、現代の高僧の書を呼ぶこともある。書跡。
  墨池 【ぼくち】 硯の名称で磨った墨をためておく所。
池、海、碩沼(けんしょう)、碩凹(けんおう)ともいう。 参照図
  墨堂 ぼくとう 硯の墨を磨る所。丘、岡、陸ともいう。 参照図
  墨本 ぼくほん 墨帖、墨拓本、法帖(ほうじょう)とも言う。手本・鑑賞用に先人の筆跡を紙に写し、石に刻み、これを石摺(いしずり)にした折本(おりほん)。宋の淳化閣帖、明の停雲館帖、清の余清斎帖などが有名。のち碑文の拓本を折本にしたものをもいう。
のちには板に刻することも行われた。我が国の江戸時代に量産された法帖類の多くは、この木版による墨本であった。
  反故・反古 ほご ほぐ。ほうご。書画などの役に立たなくなった紙。紙を貴重とした昔、反故を巻物や冊子に仕立て、その裏側に日記や典籍を書写していた。現存する遺品の中に、当時反故であった書状や文書が紙背文書として残され、国文学、歴史の重要資料となって脚光を浴びた例も多い。
転じて、役に立たない物事。

 
  墓誌銘 ぼしめい 墓誌の末に加える銘。故人の業績を書き、墓中に収めた石文。地上の立碑が禁止され、墓誌が盛んに作られた。地上では風化が著しいが、地中では摩滅もなく、謹厳に書かれているため、初学者の貴重な手本にもなる。
  補筆 ほひつ 筆を加えて補い書くこと。加筆と同義。書画が経年によって損傷したり剥落したのを補うため、あとから墨や絵具を加えることを言う。原本の品格を損なうことが多い。
  補刀 【ほとう】 一度刻(ほ)った所を修正して刻ること。
  本紙 【ほんし】 巻物・掛物などで、書画をかいた紙または絹の部分。
参照図

     

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最終更新日 : 2003/03/03