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[一般的な書道用語の解説] [さ行]
このページでは、一般的な書道用語について解説いたします。
さ行  

 

細字 さいじ こまかく小さい文字。経に書かれているような字をいう。
 
  歳次 さいじ としまわり。とし。
 
  裂箔 さきはく 箔を箔刀(竹を削った刀)を使用しないで、ちぎったような形の整っていない金や銀の箔をいう。 参照
 
  冊子本 さっしぼん 綴じてある本。そうし
 
  捌き筆 さばきふで 穂先が布海苔で固めていない穂先がひろがった筆をいう。
 
参照
  残簡 ざんかん すでに亡失した古い文書のうち、不完全な形で残っている部分、書物。
 
  三色紙 さんしきし 伝紀貫之筆の寸松庵色紙と伝小野道風筆の継色紙(つぎしきし)と伝藤原行成筆の升色紙(ますしきし)。古筆で特に尊んでいう。平安時代中期の代表的色紙ではあるが、もとから色紙でも、色紙形でもなく、もとはみな冊子本であった。しかし、三作品があまりに優れた筆跡であり、美しい散書の絶妙さを示しており、切断されて、色紙としての鑑賞の対象となったらしい。
 
  三蹟・三跡 さんせき 和風文化が興った平安時代中期、和様書道の三人の能書家、すなわち小野道風・藤原佐理(すけまさ)・藤原行成(ゆきなり)。三賢。また、その筆跡。
和様書道の基礎を築いた道風の書法は佐理に受けつがれ、行成によって完成の域に達した。この時期を我が国の書の黄金時代と呼ぶことがある。またそれぞれの筆跡は、官名あるいは姓名の一字をとって・野跡(やせき)・佐跡(させき)・権跡(ごんせき)と呼ばれる。
 
  三筆 さんぴつ わが国書道史上三人のすぐれた能書家。
(1)平安初期の嵯峨天皇・空海・橘逸勢(たちばなのはやなり)をいう。奈良時代以来の伝統的な王羲之書法が根底であったが、入唐した空海、逸勢らがじかに接して将来した新書風、顔真卿などの新しい書の影響を受けて、日本書道空前、質的に高度な書が残された。
(2)世尊寺流の藤原行成・同行能・同行尹(ゆきただ)。
(3)寛永の三筆。近衛信尹(のぶただ)(三藐(さんみやく)院)・本阿弥光悦・松花堂昭乗。
(4)黄檗(おうばく)三筆。隠元・木庵・即非。
(5)幕末の三筆。市河米庵・貫名海屋(ぬきなかいおく)・巻菱湖(まきりようこ)。
 
  槧本 ざんぽん (「槧」は、文字を書くのに用いた板) 版木で印刷した本。版本(はんぼん)。板本。せんぽん。
 
     

 

自運 じうん 書道で、書く人の自由に筆を運ぶこと。また、そうして書いた書。 ⇔ 臨書
 
  軸先 【じくさき】 軸の部外で、左右に出ている部分のこと。  参照図
軸先は、陶器、象牙、木などで、軸の内容によって使いわける。
 
  色紙 しきし (1)種々の色の紙。いろがみ。
 (2)和歌・俳句・絵・書などを書く方形の料紙、厚紙。文様をいろどり、金銀の砂子などをおくものもあ
る。寸法は、大は縦20センチメートル・横17センチメートル、小は縦18センチメートル・横16センチメートル。
 
  軸装 じくそう 紙や布に書かれた書画を掛軸の形に表装すること。中国から伝来した表具法を文人(ぶんじん)表具、日本で生まれたものを大和(やまと)表具という。軸は一幅・対幅・三幅対・四幅対・六幅対などがある。
 
参照図
 
  字配り じくばり 文字のならべかた。文字の配列。文字の形を生かして調和をとる。字の多い時は各字、各行の流れを大切に、少字数の書は1画1画の調和を大切にするとよい。
 
  字体 じたい それぞれの文字が、それによって他の文字と区別される特徴的な形。字形。一つの字についても、字画の違いによって、新字・旧字、異体字、略字、正字・俗字、筆写体、印刷体、教科書体、新字体、旧字体、などの字体がある。
 
  下絵 したえ (1)下書きの絵。
(2)刺繍(ししゅう)・彫刻などの下地に描く絵。
(3)料紙や絹、綾、色紙、詩箋などに描かれた絵。絵の上に文字を書く、書の下に絵があることからこう呼ぶ。。
(4)下絵付する絵。
  下書 したがき 清書の前に試みに書くこと。また、その書いたもの。まだ修正を経ない文案・詞章・図柄など。草案。草稿。 清書(きよがき・せいしょ)。
 計画。予定。案文(あんもん)。土代(どだい)。
 
  下敷 【したじき】 書を書くとき用紙の下に敷くもの。
墨が浸透するのを防ぐのと、筆圧を調節する機能がある。
紙の大きさにより色々な大きさのものがあり材質はおもにフェルトでできている。半紙用、半切用、全紙用など。
 参照図
  紙背文書 しはいもんじょ 古文書が反故(ほご)として他の書類の料紙に利用されたもの。紙背(しはい)文書。うらもんじょ【裏文書】に同じ。
 
  写経 しゃきょう 供養などのため、経文(きょうもん)を書写すること。また、その書写した経文、経典そのものも写経と呼ばれる。
 
  写本 しゃほん (「写」は書く意) 手書きした本。書き記した書物。書写された本。抄本。抄写本(しょうしゃほん)。鈔本(しょうほん)。
書写年代の古い室町末期までのものを古写本、それ以後のものを新写本と呼ぶ。編者自身が書写したものを自筆本、著者以外の名筆家によるものを手写本、という。天皇の書写したものを心宸筆本(しんひつぼん)、皇族のそれを御筆本(ぎょひつぼん)他人の編者を直接・間接に写した本を伝写本という。二人以上で分担書写したものが寄合書(よりあいしょ)、一人で書いたものが一筆書。写本を低本(ていほん=親本)としたものが転写本、底本を模したものが模写本、底本を直接透写(すきうつし)にしたものが影写本、写本を見ながら書体、字配り、行数などを似せて書いた本が臨写本・見取本という。

 
  朱印 しゅいん 朱色で捺印された印。室町〜江戸時代に、武将が公文書に用いた朱肉の印。また、その公文書。百姓・町人は使用が許されなかった。 
 
  収筆 しゅうひつ 点画の終わりの部分のこと。はね、払い、しめがある。次の画、次の字を書き易くするための用筆法。
 
  朱文 【しゅぶん】 木や石、金属、落款(らっかん)または印文字を刻するとき、文字の部分を残す刻り方。陽刻ともいう。 ⇔ 白文  参照
  入木道 じゅぼくどう (王羲之(おうぎし)の書は、板の上に墨黒々と字を書いたところ、墨痕が木に3分染みこんで字が消えなかったという故事から) 書道のことをいう。平安末期の宮廷貴族の間では、書道・手習いの観念として定着していたことがわかる。
 
  潤筆 じゅんぴつ (1)(筆をぬらす意)。書画などを書くこと。筆に墨をよく含ませた時は潤いのある表現ができる。 ⇔ 渇筆
(2)潤筆料の略。(書画・文章を書いた報酬。揮毫(きごう)料。)
 
  じょう (慣用音。漢音はチョウ)
(1)折り手本。折本。帳面。「画帖・手帖(てちょう)」
もとは木簡や竹簡に対して布切れに書いたものの意味であつたが帖本、折り本、といった本の装幀を言う。法帖の略でもある。固有名詞の下に付けて使うこともある。(秋萩帖・風信帖など)
(2)法帖(ほうじょう)の略。
(3)折本や帳面を数える語。
 ・屏風・楯などを数える語。
 ・紙・海苔などの一定の枚数を一まとめにして数える語。美濃紙は48枚、
  半紙は20枚、海苔は10枚を1帖とする。

 
  松煙墨 しょうえんぼく 松の木の樹脂から採取した煤で作られた墨。  参照
 
  消息 しょうそく 文通すること。また、その手紙。「かな」が主体の手紙に限って消息といい、これに対し漢字の手紙は書状の名で統一されている。
 
  上代様 じょうだいよう 平安中期に行われた和様の書風。すなわち小野道風・藤原佐理・藤原行成らの書風。鎌倉時代以降の御家流の和様の書風に対して、平安時代盛期の和様の書風を特ににこう呼ぶ。
 
  小篆 しょうてん 漢字の書体の一つ。秦の始皇帝が天下を統一し、乱れていた各国のそれぞれの文字を整理統一した。大篆から脱化した字形で、筆写に便にしたもの。さらに簡便な隷書・楷書の創始以来、鐘鼎(しょうてい)・碑銘・印章などだけに用いる。説文解字(せつもんかいじ)の正文はこの字体に属し、漢字の原義を知るに便利。篆文。秦篆。篆書。篆刻、印鑑などに使われている。 ⇔ 大篆 参照
 
  条幅 じょうふく 書画で、作品制作の形式で、全紙半切(れん)、聯落(れんおち)、がある。 参照
 
  章法 しょうほう 文章の組立て方。書作品の文字、文字群をうまくおさめる方法を言う。文字の大小、線の太細、強弱、墨の濃淡や潤渇の変化などをもって、臨機応変に余白を生かすことを言う。
 
  書体 しょたい (1)漢字の古文、大篆、小篆、隷書、草書、行書、楷書、飛白と、日本のかな(平仮名、片仮名)がある。隷、篆、楷、行、草の書体を5体と呼ぶ。
(2)字体を基礎に、文字を表現する様式・特徴・傾向などが一貫して形成されたもの。漢字の楷書・行書・草書、活字の清朝(せいちょう)・明朝(みんちょう)・宋朝(そうちょう)、あるいはイタリック・ローマンなどの種類をいう。
 文字の書き表し方。書きぶり。書風。
 
  書風 しょふう 書きぶり。書体。
 
  書法 しょほう (1)文字の書き方。点画・結構・筆順など。筆法。書法には執筆法、腕法、結構法、用筆法、章法、用墨法などの方法がある。中国では書道のことを書法と呼んでいる。
(2)文章の書き方。

  
  書論 しょろん (1)書道・書法についての議論。
(2)書籍に記してある議論。

 
  宸翰 しんかん 天子の直筆(じきひつ)の文書。宸筆(しんぴつ)。天皇の消息(書状)をはじめ、日記、歌切、写経、懐紙、色紙、短冊などに及ぶが、狭義には消息のみを指す。
 
  真跡・真蹟・真迹 しんせき  その人のまことの肉筆(筆跡)。真筆。わが国における最古の真跡は、聖徳太子の「法華義疏」である。
 
  宸筆 しんぴつ 天子の筆跡。天子の直筆。勅筆。宸翰(しんかん)と同じ。
 
     
水滴 すいてき 墨をするときの水入れ。
色々な材質で作られたものがある。写真のものは磁気製。
古い物は骨董品として珍重される逸品も多い。 参照図
 
  透写 すきうつし 模写の技法で、薄い紙などを書画・図面の上に置き、下の字形を透かして写すこと。敷写(しきうつし)
 
  漉染 すきぞめ 染め紙を作るための方法で二種類の作りかたがある。漉槽の中に染液を入れて染まったものを漉く方法と、紙の繊維を染めたものを白紙の上に流して漉く方法がある。
 
  砂子 すなご (スナコとも) 
(1)すな。まさご。
(1)金銀箔の粉末で、蒔絵または画面・短冊・色紙・襖紙などに吹き付けるもの。
 参照
 
  墨継ぎ すみつぎ (1)書くにつれ筆に含ませた墨液が乏しくなった時、さらに墨液を含ませて書くこと。明暗、強弱、立体的な効果を与えるため、墨継ぎをした箇所が隣の行で並ばないようにするとか、和歌を書くには初句、三句、五句で墨継ぎをするとされている。
(2)墨柄(すみづか)−墨を磨スる時などに、手を汚さないよう墨を挟んで持つための道具。竹などで作る。すみばさみ。墨の柄。墨継(すみつぎ)。秘閣。
 
  墨流し すみながし 紙の装飾技法。水面に墨液または顔料を吹き散らし、これを布や紙の面に移して曲線文様を製出する染法。また、その製品。古来、色紙・短冊などに用いたが、布帛に用いたものが福井県武生市の名産。すみながしぞめ。男色大鑑「―幅広の鳥の子三十枚」、「西本願寺本三十六人家集」などにみられる。
 
清書 せいしょ 習字または下書きなどを、改めて丁寧に書き直すこと。浄書(じょうしょ)。きよめがき。きよがき。
 
  尺牘とく せきとく 手紙。書状。文書。尺は一尺、牘は文字を書いた木や竹の札のことで、中国の漢代に一尺ほどの木の札に手紙を書いたことによる。日本では、主として漢文を用いた中国式のものをいう。
 
  前衛書 ぜんえいしょ 戦後、旧来の書法や造形にとらわれず、純粋に点・線・墨色・余白の美を追求しようとする新しい様式の書道。墨象という言い方もある。
 
  全紙 ぜんし】 (1)和紙(画仙紙)で、漉いたままの一枚全判の大きさをいう。横二尺二寸五分(68〜70cm)、縦四尺五寸(136〜140cm)の大きさである。 参照図
(2)
洋紙で、A判・B判などの規格判に裁断された紙。全判。
(3)
紙面の全体。
(4)写真感光材料の大きさの一。45.7センチメートル×55.9センチメートル(18インチ×22インチ)の大きさのものに対する慣用名。

  
  千字文 せんじもん 中国六朝の梁の周興嗣が武帝の命により撰した韻文。1巻。4字1句、250句、1千字から成り、「天地玄黄、宇宙洪荒」に始まり、「謂語助者、焉哉乎也」に終る。初学教科書、また習字手本として流布。
梁の武帝は王子たちに書を学ばせるため、殷鉄石(いんてつせき)に命じて王羲之(おうぎし)の筆跡の中から重複しない文字1000字を模写させ、さらに周興嗣(しゅうこうじ)にその1000字を順序立てて韻文(いんぶん)にするように命じたところ、周は一夜にしてこれを完成した、という。
 
  線装 せんそう 書籍、冊子本の装丁の一つ。印刷または書写した紙を幾枚も重ねて糸で綴じること。また、その綴じたもの。糸綴じ。
5枚ぐらいずつ重ねた紙を2つ折りにし、その幾束かを重ねて糸でかがる大和綴(やまととじ)は、鎌倉時代以降、それまでの粘葉装(でっちょうそう)にかわって広く用いられた。室町時代を過ぎると、袋綴じがあらわれる。これは、紙を1枚づつ半分に折って重ね、折り目でない側を糸で綴じる方法である。その後、一般的な冊子は大半が袋綴じになった。
 
草がな そうがな 万葉仮名を草体に書きくずした字体。かな文字は学問的に、真がな、草がな、平がな、片かなに分類される。平安初期から漢字の草書を用いてかなを表記した。造形も豊かで早く書けるため、かなの簡略化は一層進んだ。さらに簡略化したものが女手(平仮名)である。遺例、「秋萩帖」など。
 
  双鉤 【そうこう】 (1)執筆法の一。拇指と食指・中指で持ち、薬指で軽く筆管を支える法。唐の張旭に始まる。双鉤法。 ⇔ 単鉤
(2)写そうとする文字の上に薄紙をのせ、その輪郭の線を写すこと。籠写し。
  双鉤填墨 そうこうてんぼく 複製品を作る技術の一種。写そうとする文字の上に薄紙をのせ、その輪郭の線を写した(双鉤という)文字の、輪郭の中を墨でうずめること。御物の「喪乱帖(そうらんじょう)」は代表作。
 
  冊子 そうし (策子、草子、双紙、草紙とも)。 一説に、サクシの音便で、冊子を正字とする。
(1)(巻子本(かんすぼん)に対する語) 綴じた書冊。
(2)仮名文の書。物語・日記・歌書の類。
(3)中世・近世の読物で、絵を主とした小説。多く短編。お伽草子・草双紙の類。
(4)書いてまだ整頓していない下書き。草案。また、練習の字や絵を書く帳面の類。
 
  草書 そうしょ 書体の一つ。漢の初め頃に生まれた書体で篆隷(てんれい)の点画を省き、簡略にしたもの。俗に行書をさらにくずし、点画を略したものをいう。王羲之(おうぎし)らに至り頂点に達した。この書体は、わが国のかなの書体にも用いられ、草のかなとして一世を風靡した。「秋萩帖」はその代表作である。 ⇔ 楷書行書 参照
 
  蔵書印 ぞうしょいん 書物の所蔵を明らかにするために蔵書や文書に押した印影、また、その印形。社寺や個人の名を記したもの、堂号、詩句など種々の印が用いられる。
 
  造象記 ぞうぞうき 造象の由来を記した金石文。北魏の龍門造象記は、石に刻してある。金銅仏の金文とともに当時の貴重な遺品である。
 
  送筆 そうひつ 運筆法。紙面に筆を下ろし、筆を起こしてから線が始まり、収筆に至るまでの筆の送り方。送筆の遅速、緩急、抑揚、強弱などの変化が書の線の生命である。
 
  蔵鋒 ぞうほ (1)用筆法の一種。起筆に筆の穂先を表さないように書くこと。すなわちその用筆法は逆入して穂先を包み込むようにして起筆し、筆を真直ぐに立てて送筆する(隷書の書き方)。 ⇔ 露鋒
(2)才知の鋭さを表さないこと。
 
  側筆 そくひつ 用筆法の一つ。筆を傾けて書くこと。この方法は書線の一辺だけに穂先が通るため、別の一辺は穂の腹がこすってささくれる。点画を角ばらせて鋭さを出しやすいが、扁平な線になる。一般的にはこの用筆法は死鋒と言われ好まれない。絵画でも、抑揚・変化を与えるために用いられた。
 ⇔ 直筆(ちょくひつ)

 
  素紙 そし 漉き上げたままの紙で、何の加工もしていない紙。
 
  率意 そつい 意図しないで何気なく書かれたものを率意の書と言う。芸術作品は意図をもって制作するが、書道史上の名品は必ずしもあらかじめ用意して揮毫したものより、作品に傑作が多い。
      

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最終更新日 : 2003/03/03