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[一般的な書道用語の解説] [た行]
このページでは、一般的な書道用語について解説いたします。
た行  

大篆 だいてん】 周の宣王の時(西紀前827)史官の史籀(しちゅう)が造ったとされる漢字の書体。古文から出て、篆文(小篆)の前身をなす。籀書(ちゅうしょ)。籀文(ちゅうぶん)。「石鼓文(せっこぶん)」がその典型である。 ⇔ 小篆 参照
 
  退筆 たいひつ】 穂先がちびて使用できなくなった筆。
 
  大筆 たいひつ】 筆跡・詩文などの傑作
 
  拓本 たくほん】 木や石、または石碑や器物に刻まれた文字・文様の原型を紙に写しとったもの。その方法に湿拓と乾拓とがある。湿拓は画箋紙か綿紙を被写物の上に延べ、これに水を刷いて密着させ、半ば乾いてから、上から墨液を湿した「たんぽ」でたたく。乾拓は湿さずに蝋墨または釣鐘墨で上から摺る。石摺(いしずり)。搨本(とうほん)。
 
  畳紙 たとうがみ】 「たたみがみの音便」 
(1)檀紙・鳥の子などの紙を横に二つ、縦に四つに折ったもの。幾枚も重ね、懐中に入れておき、詩歌の詠草や鼻紙に用いる。ふところがみ。懐紙かいし)。折紙。帖紙
(2)厚い和紙に渋や漆を塗り、四つに畳むようにして折目をつけた包み紙。和服、結髪の道具などをしまう。
  荼毘紙 だびし】 奈良時代の写経料紙。伽羅(きゃら)や白檀の香木の粉末を漉きこんだ料紙で黒い粒がちりばめられており表面がざらざらしている。黄荼毘紙と白荼毘紙がある。 参照
 
  為書 ためがき】 書画の落款(らっかん)に、依頼者の名前、何のために書いたものかを書き添えること。また、その字句。はじめに「為」と書くことから為書と称す。
 
  溜漉 ためずき】 紙の手漉きの方法。パルプ状にした紙料を水とともに流槽に入れて十分かき混ぜ、竹や茅で作った「簀(す)」をはめた漉桁(すきげた)の上桁の中に溜め、あるいは揺り動かして水を切り、紙の層を作る。中国古来の方法で、広く世界に行われる。 ⇔ 流し漉(ず)き
 
  断簡 だんかん】 巻物、冊子などに書かれた詩歌や物語、また、絵巻物、経典、日記などの一部がきれぎれになった書きもの。古筆に「切」の呼称がつくことが多い。名跡の断簡を古筆切という。
 
  単鉤 たんこう】 執筆法の一つ。食指と拇指とで筆管を持ち、中指で筆管を軽く下から支えて書く法。単鉤法。 ⇔ 双鉤
 
  短冊 たんざく】 (タンジャクとも) 
(1)標目・数量などを書いた細長い紙。特に、官庁で給付する物資の品目・数量を書いたもの。
(2)和歌を書くのに用いる料紙。普通は縦36p余、幅6p位で、金銀箔を置いたもの、下絵や模様のあるもの、絹張りのものなどがある。鎌倉末期にすでに行われていたらしい。今も和歌・俳句や絵などを書くのに用いる。
 
  単体 たんたい】 各文字をつなげず、単独に離して書くこと。 ⇔ 連綿
  断筆 【だんぴつ】 文筆家が、文章を書いて公表するのをやめること。
 
  断碑 だんぴ】 くだけ折れた石碑。われた碑。我が国の「宇治橋断碑」や王羲之の行書を集字してできた「興福寺断碑」が有名である。
 
  短鋒 たんぽう】 穂の短い筆。毛の長さが穂の太さの3倍以下の太さの割に短い筆。墨含みが悪く墨切れをおこしやすいが、楷書に適している。中国では隷書や篆書に使用する。 ⇔ 中鋒長鋒 参照
 
     
竹紙 ちくし】 (1)若竹の繊維を原料として漉かれた中国産の紙。江戸中期以後、文人画家や書家が好んで用いた。
(2)江戸中期から越前で漉かれた薄い鳥の子紙。
 
  茶掛 ちゃがけ】 茶掛幅の略) 茶席床の間にかける掛物のを言う。千利休は掛け物を第一の道具とし、墨跡が最もよいとした。季節にあい、外見、内容が茶の精神にふさわしいものが喜ばれる。
 
  虫損 ちゅうそん】 文書などが虫食いによって受ける損害。これを防ぐために黄蘗染め(きはだぞめ=ミカン科の黄蘗を染料として紙を染める技法。このほかに黄蘗に含まれている成分が虫害を防ぐ効果がある)の処理や製本の糊の改良、虫干しなどをおこなっている。
 
  中鋒 ちゅうほ 1)毛の長さが穂の太さの4倍前後の標準的な筆。 ⇔ 短鋒長鋒 参照
(2)用筆法の一つで、穂先が常に筆画の中央を通るように書くこと。
(3)用筆法の一つで、筆を正しく持ち、紙面に対し筆毛を垂直に保って運筆する(直筆)と、穂の墨は下りやすく、線は重厚な趣を出すことができるという。
 
  中本 ちゅうほん】 「大きさが読本(よみほん)などの半紙本と洒落本(しゃれぼん)などの小本との中間の本の意」 美濃本は、美濃紙(三椏を原料とし、28p×40p大の紙)を縦に二つ折りした本のこと。また、江戸時代この大きさで刊行した滑稽本・人情本の異称。中型本。
 
  鳥跡 ちょうせき】 中国で黄帝の時、蒼頡(そうけつ)が鳥の足跡を見てはじめて文字を作ったという故事に由来する漢字の異称。とりのあと。
 
  長鋒 ちょうほう】 毛の長さが穂の太さの5倍以上の長い筆。墨含みがよく筆運びが楽、扱いに熟練が必要。中鋒、短鋒に対していう。 ⇔ 短鋒中鋒 参照
  勅撰集 ちょくせんしゅう】 勅撰による和歌・漢詩文などの集。特に勅撰和歌集を指す。天皇もしくは上皇の宣旨(せんじ=天皇の命令書)・院宣(いんぜん=上皇の意をうけて、奉じて発給する文書)によって選ばれた歌集のこと。平安時代初期の勅撰漢詩集にならって選ばれた醍醐天皇による「古今和歌集」に始まるとされている。その後、後撰(ごせん)、拾遺(しゅうい)、後拾遺、金葉(きんよう)、詞花(しか)、千載(せんさい)、新古今、新勅撰、続後撰(しょくごせん)、続古今、続拾遺、新後撰、玉葉(ぎょくよう)続千載、続後拾遺、風雅(ふうが)、新千載、新拾遺、新後拾遺、と続き、室町時代中期に完成した後花園天皇の「新続古今和歌集」がとどめとなった。古今、後撰、拾遺の三集を三大集、古今から新古今までを八代集、新勅撰から新続古今までを十三代集と呼び、八代集と十三代集を合わせて二十一代集と呼ぶことが多い。
 
  直筆 ちょくひつ】 (1)用筆法の一つで、筆を真直ぐにして書くこと。筆をまっすぐに持って書くこと。また、その文。 ⇔ 側筆
(2)
事柄を隠さずにありのままに書くこと。 ⇔ 曲筆
 
  楮紙 ちょし】 こうぞがみ」ともいう。和紙の一種。楮(こうぞ)の樹皮の繊維を原料として漉いた紙。楮は栽培が容易で、日本各地で栽培された。質は雁皮紙(がんぴし)に比べ美しくはないが、通気性があり、伸縮性がなく強靱。
杉原紙・美濃紙・西の内紙・清張紙・吉野紙・奉書など、品種が多い。古くから写経用紙・書類用紙・障子紙・傘紙・紙子紙・奉書紙・帳簿用紙などに広く用いられた。 穀紙(こくし)。構紙(かしがみ)。 
参照
 
  散らし書き ちらしがき】 日本のかな書道の最も特徴的な書き方で、色紙・短冊・艶書などに、一行の長さをあるいは長くあるいは短く、または行間をあるいは広くあるいは狭く、字をとびとびに散らして、余白の美を最大限に生かし書くこと。
 
  枕腕 ちんわん】 執筆法の一。左手を平らに机上に伏せ、筆を執る右手をその背を枕にして文字を書くこと。細字を書くのに適している。鉛筆書きのように直接右手首を紙に着けて書く方法を着腕(ちゃくわん)という。他に提腕(ていわん)懸腕直筆(けんわんちょくひつ)がある。
 
     
対幅 ついふく】 対になっている書画の幅。双幅。対軸。書の場合、対句をなすものが多い。絵画においても、相互に関連のある画題が選ばれるのが普通。二幅とも同じ表装をほどこす。三幅対、四幅対、などもある。
 
  継紙 つぎがみ】 色々な料紙を切ったり破ったりして継ぎ合わせ一枚の料紙にしたもの
切継(きりつぎ)−刃物で切り継ぎ目が直線や曲線になるようにして張り合わせたもの
破継やぶりつぎ)−継ぎ目がぎざぎざの線になるように破り、約2mmののりしろをとって張り合わせた紙をいう。
重継(かさねつぎ)−同系色の色の薄い紙5枚を下から、薄い紙から濃い紙に順に重ねこれを約1〜2mmずつずらせ、別の紙に貼ったものをいう。
「正倉院文書」の天平15年<743>に初見する。「本願寺本36人家集」が数少ない例である。 参照
 
  浸染 つけぞめ】 染め紙を作る技法。黄檗(きはだ)刈安(かりやす)橡(つるばみ)などの植物を煎じた汁で染め上げたもの。
現在では植物染料で染めた紙を「草木染
(そうもくぞめ)」という。濃い色に染めるときは、回を重ねて段々に濃くしていく。仕上げを美しくするために、表面に刷毛で更に色を引き、礬水(どうさ)を引く。墨付きをよくするために、卵白、胡粉、白土の類を用いることもある。「桂本万葉集」「関戸本古今集切」「継色紙」などがある。
奈良時代の写経用紙がこの方法で造られた。 参照
 
      
底本 ていほん】 (1)文書の草稿。したがき。
(2)もととなすべき本。特に、書写・翻訳・翻字・本文校訂などに当って、主な拠りどころとした本。そこほん。 校本。一般には、最も流布している本文か、最も原本に近いと判断される本文を選ぶ。
(3)控え帳。
  提腕 ていわん】 執筆法の一。筆を執る右手を軽く机上に載せ、手首を浮かして文字を書くこと。
懸腕直筆(けんわんちょくひつ)と枕腕(ちんわん)との中間にあって両者の長所を兼ねそなえ、中字、小字を書くのに適す。
他に枕腕(ちんわん)、懸腕直筆(けんわんちょくひつ)がある。
  
  手鑑 てかがみ】 古筆見(こひつみ)が鑑定の標準とすべき代表的な古筆切(こひつぎれ)を貼りこんだ法帖。また、古筆愛好者が鑑賞のために古筆切を貼りこんだ帳面。現在国宝に指定されている「翰墨城(かんぼくじょう)」「藻塩草(もしおぐさ)」「見ぬ世の友」「大手(おおてかがみ)」はその代表的なものである。武家・公家にあっては、その子女を嫁がせる場合の大切な道具となった。
手本。模範。
 
  手書 てかき】 (1)巧みに文字を書く人。能書。能筆。てしゃ。奈良時代では手師(てし)といった平安時代では能書(のうしょ)または手書とよんだ。
(2)物を書く役。書記。右筆(ゆうひつ)。
  綴葉装 てっちょうそう】 (ていようそう)とも。和本の製本方式の一種。数枚の料紙を重ね合せ、半分に折って一括りとし、数括りを重ねて前後に表紙を添え、折り目の方を糸でかがったもの。かがり糸の結びを多く括りの中に残してあるのが普通。列帖装(れつちょうそう)とも。
奈良時代の末から鎌倉時代にかけて流行し、厚手 の鳥の子紙で両面書写が可能な我が国料紙の存在によって考案された装幀。「元永本古今集」「更級日記」などが代表的装幀である。
 
  粘葉装 でっちょうそう】 (デッテフはデツエフの連声。デツは字音デンの転) 和本の製本方式の一つ。料紙を1枚ずつ二つ折りにし、各紙の折り目近くの外側面に糊をつけて重ね合せ、接着させて一冊とする。表紙は前後から添えるか、またはくるみ表紙とする。開くと胡蝶が羽を広げたような感じとなるので、胡蝶装ともいう。
平安時代の冊子本の大半はこの方法による。「継色紙」「本願寺本万葉集」「粘葉本和漢朗詠集「筋切」などがある。
でん[伝] 伝称筆者であることを表すために人名に冠する文字。「………と 言い伝えられている」の意。江戸時代、古筆鑑定家が極めた筆者名は、歴史上、あるいは文学上著名な人物に仮託したもので、そのほとんどが全く根拠のないものである。
 
  点画 てんかく】 漢字の点と画。文字の構成要素である点と線。幾何学でいう点や線とは異なり、独特の形と骨法を持ち、点は画が凝縮したもの、画は点が拡大変化したものである。書体によって異なるが、古来、楷書について説明されることが多く、点、横画、縦画、左払い、右払い、撥ね、転折、湾曲などの基本点画に分類される。永字八法はその最も著名な説明である。
 
  篆刻 【てんこく】 (1)木、石、牙、角、金、銅などの印材に篆書体で印を刻(ほ)ること。雅号印、姓名印、引首印、収蔵印、住所印、など。
(2)文章の修辞・虚飾が多くて実用の伴わないこと。
 
  篆書 てんしょ】 漢字の一体。大篆(だいてん)と小篆(しょうてん)とがある。大篆の方が古く、「石鼓文(せっこぶん)」はその代表例。小篆は、秦篆(しんてん)ともいい、大篆を略体化したもので、「泰山刻石(たいざんこくせき)」はその代表例。 参照
 
  転折 てんせつ】 書法の一。横画から縦画に転じ、縦画から跳ねに転じるように、筆鋒が急に変化すること。転筆(てんぴつ)。
 
  転読 てんどく】 (1)経典を読誦(どくじゅ)すること。
(2)大部の経文の初・中・終の要所たる数行または題目と品(ほん)名とだけを略読して一部を読誦したことに代えること。特に大般若経600巻の転読は広く行われる。転経。
 ⇔ 経典全部を丁寧に読む真読(しんどく)に対する語。
 
  天平筆 てんぴょうひつ】 奈良正倉院に残る天平時代の筆。獣毛が失われているが、雀頭筆か、短鋒としても短めのものが多い。 参照 
      
陶硯 とうけん 粘土を素材に作る硯。中国では漢代から制作されはじめ、六朝から隋・唐まで主流をなした。日本では、奈良・平安時代使われ、特に平安時代に全盛を極めていた。装飾はほとんどほどこされることはなく、円面碩、風字碩が主流であった。平安時代の末期には、瓦硯(がけん)といわれ、石硯に対比させていた。
  礬水 どうさ 明礬水(みょうばんすい)。膠(にかわ)を水に溶かした液に明礬を入れたもの。この液を和紙に塗る(礬水を引くという)と、墨や絵の具のにじみをおさえ、発色をよくする効果がある。 参照
 
  禿筆 とくひつ (1)使い古してさきのすり切れた筆。ちびふで。
(2)
自由に書けないところから、転じて、自分の文章ゃ筆跡の謙譲語。「禿筆を駆る」、「禿筆を呵す」などという言葉がその例。
  
  床の間 とこのま ゆかを一段高くし、正面の壁に書画の幅などを掛け、床板の上に三具足(みつぐそく=香炉・花瓶・燭台)等を飾るところ。
近世以降の日本建築で、座敷に設ける。室町時代の押板(おしいた)が起源。
 
  飛雲 とびくも 和紙の名。藍や紫の飛雲を漉き表した鳥の子紙。空に浮かぶ雲のように飛雲をほどこした紙を飛雲紙(とびくもがみ)という。必ず藍の繊維を先に、その上に重ねて紫の繊維を漉き込む。 参照
 
  鳥の子 とりのこ 和紙の一種。雁皮(がんぴ)を主原料として漉いた上品で美しい優良紙。薄い卵黄色で平滑・緻密で光沢がある。
「鳥の子」の名の由来は、薄い卵黄色に似ているところから、または鳥の雛(ひな)のくちばしの色からとか。

奈良時代には斐紙(ひし)、平安時代には厚様(あつよう)といった。
福井県今立町および兵庫県西宮市名塩産出のものが有名。常陸(ひたち)の国の鳥子村で作られていたとかの諸説がある。 原料は主に雁皮(がんぴ)が使われ、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)が混ぜられている。 参照
 
  頓首 とんしゅ (1)中国の礼式で、頭で地を叩き、また頭を地につけて敬意を表すこと。もと対等の礼に行い、後に君主に対して行なった。
 (2)書簡文・上書文などの終尾に書いて敬意を表す語。「―再拝」
 

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最終更新日 : 2003/03/03


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